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例えば、女優の浅野ゆう子さん(1960年7月9日生まれ)が私と同い年だから2004年6月現在44歳、黒木瞳さん(問団月ら日生まれ)も同い年ですが、彼女たちも決して「お母さん役者」というイメージではありません。
私たちが子どもの頃は、却代の女優さんといえば完全に「お母さん役者」だったと思います。
それが今では恋愛ドラマの主役であっても、少しもおかしくありません。
年齢を重ねても若い現代人。
年代の区切り方を変えて考えよう。
(執行猶予) の期間が気持ちそのものが若ければ、それだけ心理的にモラトリアム長くなるのは当たり前です。
ただし、現在は社会システムがそれと逆行しています。
むしろ若い人にもっと責任を持たせようとか、若い人を支庖長や経営者、管理職に抜てきしようと社会は考えています。
社会システムの変更と実質的な精神年齢、つまり老け込みゃ若返りがミスマッチのように思えてなりません。
今の時代には、むしろ責任を持たせる年代を後ろにずらしたほうがいいかもしれないと私は思っています。
ここ数年「パラサイトシングル」ということがよく問題になります。
「20代の半ばにもなって親と同居して、親がかりの生活を送るとはけしからん」と言って批判する人がいますが、これは彼らがまだ学生気分が抜けていないことに対する批判でしょう。
現代は、早く自立しなくてはいけない、稼がなければいけないと言っても、「俺は大学に行かずに働くんだ」と考える若者は少ないでしょう。
大学を出てフリ−タ−を選ぶ人がたくさんいるにもかかわらず、「早く何かをしなければ」と考えるのは、むしろ社会の要請によっているといえます。
つまり、「オジサンには決断力がない」「オジサンは新しい時代に対応できない、IT時代についていけない」「日進月歩で先の読めない時代にオジサンではダメだ」という発想のために社会が若返りを待っているわけです。
しかし、社会が責任を持たせたがっているのに対し、本人たちは「若いうちに何かをしなければ、一家を背負わなくてはいけない」と思っている人は少ないでしょう。
昔は定年まで身分が保証されていたうえに、親が若いときにできた子どもが多いから、親が定年になるときに、子どもは20代半ばくらいになっているのです。
この場合は、子世代の人間は親の定年の時点で「俺が一家を支えなければいけない」と思うものでした。
つまり、あまり若い時点で社会がお払い箱にしてしまうと、それだけ犠牲者が出現してしまうのです。
どちらにせよ、社会が自立促進型というか、若いうちに白黒つけて、若いうちに幹部や社長候補生のような人材を決めて、若い人に社長や部長をやらせる風潮になってきたことは事実なのですが、若い人たちに実は責任感がなく、モラトリアム期間を延ばしたがっているとすれば、それはミスマッチ現象と言えると思います。
社会の要請と実際の年齢とのミスマッチに気づこう。
一方で今の若者が「早熟」化しているとも言われています。
背景には、背伸びをしたがる心理というのがあるでしょう。
例えば、売春をする女子高生とか、昔と比べたらお酒やタバコをやっている若い人たちは増えているかもしれません。
しかし、それは社会的役割とは違います。
大人がやることをまねしたがることと、大人の社会的役割を担うこととは違います。
格好だけ大人のまねをするということは、高校生がシャネルのバッグをもつとか、女子中学生が化粧をするようなこと。
社会的役割や心理的発達とは違います。
援助交際をしている女子高生たちは、自分たちの化粧や遊びにお金を使うかもしれませんが、そのお金で親を養っている人というのは、ほとんどいません。
つまり、タイなどとは違うわけです。
タイの少女売春の人たちのほうが、精神的な成熟度はたぶん高いだろうと私は思います。
「私が働かなければ親の面倒をみていけない」という考えは、日本の女子高生にはないのです。
私は以前にタイのプ−ケットに行ったことがあります。
日本語のできるタイ人のガイドに話を聞いていると、タイ人たちの価値観では、売春より肉体労働のほうが格下に見られているようです。
タイの人たちは観光事業とかエンターテインメントのような仕事はするけれども、「汚い仕事は嫌い」と言って、建設工事の肉体労働などはミャンマー人やカンボジア人がやっている、などと話していました。
彼らの価値観では、売春は「汚い仕事」でないようです。
価値観の違いだから仕方がない部分があるでしょう。
外で肉体労働をするよりサービス業でお金を稼いでいるほうが上だと信じているから、売春をしても日本人が考えるほど卑屈でないようです。
それは今の日本の援助交際と同じかもしれません。
少女売春の人などは明らかに生活を背負っていないから、「かわいそう、虐待だ」と他人が考えるほどでもないのでしょうし、強制売春の割合というのはたぶん少女のほうが少ないような気がします。
イヤイヤやっているという人や、いわゆる管理売春の被害者は、むしろ大人でサラ金からの借金が返せなくなったなどの、特殊な事情の人たちでしょう。
援助交際に対して、「かわいそうだ」というのは、実は我々の勝手な同情かもしれないわけです。
もちろん、医学的見知などさまざまな観点から考えたら、身体にも悪いからやめさせたほうがいいとは思います。
しかし、それを言い出したら未成年でタバコを吸っている、酒を飲んでいる人たちと同じ理屈になります。
すなわち、売春が虐待だからかわいそうなのではなく、「身体に悪いからやめろ」と言うのであれば、子どもがタバコや酒をやってはいけないということに関しても、もっと目くじらを立てるべきでしょう。
今の日本でおかしいことの一つは、淫行などに関しては非常に厳しく対処しているのに、子どもたちがタバコを吸っていても誰も注意しないことです。
淫行を禁止する理由は、「少女を売り飛ばして金儲けをしているヤクザがいるから」ということでは、なくなってきていると思われます(一方では、少女をだましている輩もまだいるようですが)。
それよりは、むしろ身体に悪いからやめなさい、つまり、妊娠や性病などのリスクが大きいからやめろ、という理屈です。
これは医者の立場から私も納得できることです。
少女売春が道徳的に間違っていないと言っているわけではありません。
もちろん道徳的に許されないし、それを利用して金儲けをしている人もよくないですが、身体に悪いことが最大の理由となっている、と言いたいのです。
ならば、売春と同様、タバコや酒に対する処罰をもっと厳しくしろ、と私は言いたくなります。
話題がそれましたが、背伸びをしたがる人が増えている、大人のまねをしたがる人が増えていることは、比較的「自然な」心理です。
ただ、それが健康を損ねる側面も強いのに、売春以外のことには大人が寛容になりすぎていると強調しておきます。
私の若い頃にも、女子高生が女子大生向けの雑誌を読むとか、中学生や高校生が哲学書を読むという行動はありました。
今は、中学生や高校生で新書のような本を読んでいる人など、ほとんどいなくなっていますから、背伸びの仕方の質が変わっただけでしょう。
しかし売春は精神的な発達を促すものでなく、身体に悪いことが問題です。
昔も今も、子どもは原則的に大人のまねをしたがるものです。
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